『経営はトレードオフ』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『経営はトレードオフ』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

「経営の意思決定は常にトレードオフ。
 Aを手に入れるためにはBを捨てる。
 Bを手に入れればAを失う」

経営論ではこんなことを学ぶ。

万人が納得できる答えを出すことはできない。

だからリーダーが必要だ。
矢面になって決める人が不可欠。

顧客満足と従業員満足。

これはトレードオフだ。

顧客満足を上げるために、
コンビニでは営業時間を延長した。
24H営業が普通になっている。

ヤマト運輸などは顧客満足をあげるために、
時間指定(2H枠)を取り入れた。

あるピザ屋さんは「〇分以内にお届けする」
ということを約束した。

福祉で言えば、顧客満足を上げるために、
「通院同行」「買物同行」などもする。

さらに食事にも拘れば、
無添加の食材しか使わないという施設もある。

顧客満足を高めようとすれば、
人手が必要になったり、労働時間が伸びたり、
経費が増えたりする。

この流れが止められないと、
赤字経営から脱却できなくなる。

その逆も然り。
従業員満足を高めようとすれば、
顧客満足度は下がる。

あるクリニックでは1分でも過ぎたら、
予約があっても患者を受け付けない。

遅刻したほうが悪いからだ。
従業員は予定通り定時で帰宅できる。

デパートでは従業員満足度を高めようと、
元旦営業を止める動きも出てきた。

もちろん経営者は、サービス業であっても
お正月くらい家でゆっくり過ごさせてあげたいと思う。
ただ1日の売上高は平日の何倍にもなる。

1月1日を休むには、
平日にその分を補うことができなければならない。

年始に連休を取ることは難しい。

福祉の仕事も身体に負担がかかる業務を減らすことや、
極力例外を作らないでルールで運営するほうが
従業員満足に繋がる。

イレギュラー対応は疲弊するからだ。
一方で顧客満足度は下がる。

トレードオフでのデメリットを考慮しながら、
両社のバランスを取ること。

先日講演会で、小泉環境大臣が

「決断をすれば誰かが利益を得ることになり、
誰かが不利益を被ることになる」

と言われていた。

今ままでは、「経済成長」と「地球環境」が
トレードオフになっていた。

いよいよ地球環境を無視できなくなってきた。

地球環境を維持しながら
経済成長を模索しなければならない時代へ。

リーダーは常に頭を悩ませる。
「トレードオフ」の中での判断だからだ。