ブログ

『食い違う 両者の言い分』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『食い違う 両者の言い分』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。
グループホームHARUです。

グループホームの責任者をしていると、
世話人からも利用者からも相談を受けます。

利用者Aからは、
世話人Yへの愚痴や不満を聴ききます。

世話人Yの仕事ぶりが他の世話人と比べると
ここができていない!あそこができていない!と。

世話人Yからは、
利用者Aの態度や振る舞いに関して
悩んでいることを相談されます。

声をかけても、返事をしてくれない。
食事や入浴の声かけをすると嫌な顔をされる。
関りを最小限にした方がいいのか…。

両者にはそれぞれの言い分があります。

その現場を直接見ていれば、
実態が掴めるのですが、
なかなかその場面に出くわしません。

こういった問題は、
なかなか綺麗に解決することはありません。

注意しなければいけないことは、
片方の意見のみを聞いて、
それが事実だと鵜呑みしてしまうこと。

両者の意見を聞くことも大事ですし、
当事者以外の声にも耳を傾けることが必要です。

人は誰しもバイアスを持っています。
そしてバイアスをかけて物事を認知します。

ですからどうしても
誰しも主観的な意見になってしまいます。

主観的な意見に対して、
「それは間違っている」と言っても、
なかなか受け入れてくれないでしょう。

様々な観点の意見を聞きながら、
自分なりの仮説をもって、
事実を把握していきます。

「早く解決してほしい」と焦る利用者や世話人には
幅広く意見を聞くというプロセスは
じれったいと受け止められてしまうこともあります。

『久遠チョコレート 20年の格闘物語』

こんにちは。
グループホームHARUです。

十方よし.TVに以前、出演いただいた
久遠チョコレートさん。

カンブリア宮殿に出ると夏目代表から
告知があり、拝見しました。

当時に取材に行ったときよりも、
さらにチャレンジされていて、
感銘を受けました。

ちなみに久遠チョコレートさんでは、
従業員の6割が障害を持っている方が
勤めています。

障害者の方の中には、
月額賃金が1万円程度の方もいます。

久遠チョコレートでは
その10倍近くの賃金を払うことが
できています。

「障害者の方の賃金が低すぎる」と
問題意識を持ち、それを打破しようとする
経営者の方、起業家の方はいます。

しかしなかなかここまでの賃金を支給する
段階までは、事業を成長することはできません。

当然ながら給与が高い=付加価値の高い仕事を
しなければなりません。

チョコレートはそれを実現してくれました。

美味しいチョコレートは科学できる。
そしてチョコレートは失敗すれば
また溶かしてやり直しができる。

重度障害者を雇用する「パウダーラボ」。
石臼を挽き、抹茶を粉末状にする。
その粉末はチョコレートに使われます。

外注していた仕事を内製化し、
仕事を生み出しました。
彼・彼女の役割を創り出したのです。

テレビでは伝えられていませんでしたが、
雇用はしたものの、最初は作業ができず、
落ち着かない方もいたということも聞きました。

パウダーラボに勤めた障害者さんに
初めての給与をお渡しする時は
ご両親も職場に呼び、
その場にいた方は涙涙だったと言います。

障害者雇用率を満たすためだけに
障害者を雇用する企業もあります。

 

一方で久遠チョコレートは、
障害者を含めた様々な人に雇用の機会を提供し、
より公平な条件を提供できるように
努力している企業もある。

最初はそこまで差はありませんが、
動機や目的の違いは、時間を経て
企業間の大差を生んでいきます。

※『チョコレートな人々』
というドキュメンタリー映画も
ぜひご覧になってください。

『私のことは、私の言葉で、相談する力』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『私のことは、私の言葉で、相談する力』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。
グループホームHARUです。

皆さんは、困ったことは自分の言葉で、
相談するべき相手に相談ができていますか?

私は福祉事業(グループホーム事業)もしています。
入居者側と運営側で信頼関係は大切です。
しかし、ちょっとしたことで不穏な関係になることがあります。

例えば入居者から、職員や責任者に直接相談がない中で、
突然、本部や代表者にご家族から直接連絡がいく。

「うちの子が○○の件で困っているようなんです。
対処してほしい」

簡単にいうと上記のような内容です。

現場の担当スタッフが聞けていれば、
早めに手を打てるのですが初めて聞く内容。

事実把握から始めていき、
必要な対処法を探していきます。

こちらのご両親は、

「うちの子は自分が困っていることを相手に伝えられない。
だから私が代わりに伝えてあげないといけないんです」

と言われていました。

「お母様は自分が彼・彼女の一番の理解者であり代弁者」
という認識なんですね。

もちろん職員が直接話を聴けるだけの関係性、
雰囲気づくり、機会づくりの努力は必要です。

一方でどのような社会であっても、
欲しい解決策がもらえるかどうかは別にして
「自分から相談できる力」
は自分を守る上で必要な力ではないでしょうか。

人を介することによって、情報が歪曲する。
今回のケースで言えばご両親を介する。

お母様は理解者ではない職員に不満を持つ。
不満を持てば、
様々な出来事をネガティブに捉える傾向になります。

これは福祉だけではなく、
子供のあらゆる習い事をお仕事にしている方は
体験済だと言われていました。

「うちの子が○○で困っている。自分では言えない子。
 だから親である私が代わりに伝えないといけない」

声に出して相談する力が子供にもある中で、
ご両親が代わりに介入してしまうことは、
両者間の信頼関係に亀裂が入ってしまうことがあります。

自分で解決できることが理想的。
それが難しいければ、
まずは自分で相談できる力を養えたらいいですね。

入居者さんへ最初の段階で毎回伝えていることは、

「○○さんが困っていることは
○○さんが自分の言葉で職員さんに相談してみてください。
それでも解決できない時は、私に直接相談してみてください」と。

これからあらゆる場で社会生活は続きます。
「相談できる力」はどこに行っても必要な気がしてなりません。

『福祉の矛盾』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『福祉の矛盾』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。
グループホームHARUです。

障害支援区分が3年1度のペースで更新されます。

この障害支援区分によって単位が大きく変わるので、
施設経営の観点でいえば、大事な指標の1つです。

特に区分3,区分2は単位が引き下げられていますし。

先日、驚くべきことがありました。

入居者2名が区分4から区分2に、
2段階も引き下げられていたことです。

本人に定められた質問をされてはいますが、
ホーム側の支援者や管理者にはヒアリングがありませんでした。

つまり本人の自己申告によって、
区分が判定されてしまっているようです。

区分1くらいの上下でしたら驚きはしないのですが、
区分2が上下するのは稀でしたので、
区分調査員の方に念のため確認を取りました。

「利用者のAさんは、どうして区分4から区分2に
引き下げられたのでしょうか?」

「以前の区分調査時は実家でした。
 実家の時は本人も不安定で、ご自身でできることも少なかった。
 お母さまも大変困っていました。
 直近HARUさんにお世話になって、生活面では大きく改善され
 落ち着いて暮らしているとお母様からも伺っています。
 グループホームに入って生活面が改善されたのが理由です」

 

「本人がグループホームに入って生活が落ち着き、
 ご自身でできることが増えたのは、一部は支援者側の“成果”です。
 成果を出すと報酬が下がるということですか?
 またグループホームの支援者に、Aさんの生活状況の確認をしないのですか?」

「残念ながら…、そういう仕組みになっていますので。
ご両親には生活面での変化の確認をしています。
電話ではご両親もグループホームさんには本当に感謝されていました」

こんなやりとりがありました。

言葉は悪いですが、報酬が下がらないためには、
入居者さんが自分でできることが増えてしまっては困るということになります。
自立をしない方が良いと。

 

今回の件で言えば、
本人のみ聞き取りで、最も生活面での長い時間を見ている
グループホーム職員への聞き取りがなく、区分判定をしてしまったこと。

そして“成果”を上げると報酬が下がるという、
他業界とは真逆のことが起きるということ。

 

入居者さんが穏やかに暮らして、生活が安定し、
就労が継続できるように、支援者はあれこれ工夫をしています。

しかし工夫を重ねた結果、
自分たちの首を絞めるという矛盾した状況が生まれるのです。

これは「福祉の矛盾」ですね。

『“納得”にたどり着くには?』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『“納得”にたどり着くには?』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。
グループホームHARUです。

入居者の特性は様々。

スタッフの皆さんは、
個々の特性を把握しながら
試行錯誤しながら支援されていると思います。

「自分が望む答えが出るまで
 なかなか納得をしない」

こういった傾向の方もいるかと思います。

例えば個人の希望と
グループホームのルールが
相対立することがあります。

一個人の希望としては叶えたい気持ちもあるが、
一方でグループホームのルール上、
許可ができないことがあります。

論理的・合理的に説明をして、
その場では納得をした様子を見せていたAさん。

しかしAさんから時間をおいて
また同じ質問をされてくることがあります。

次はAさんから別のスタッフに
同じ質問をしてくることがあります。

スタッフによって180度異なる回答をしてしまうと
混乱をさせてしまうため、
回答のガイドラインをすり合わせることが必要ですね。

またグループホーム外の方へ
Aさんから同じような質問をされることもある。

残念ながら普段一緒にいる時間が
長い支援者からの意見が
本人に届かない時があります。
(一緒にいる時間が長いが故に…)

定期的にモニタリングをされる相談支援員さんや
ご両親・就労先のスタッフのコメント等によって、
納得されることもあるようです。

本人の話に耳を傾けつつ、
本人が“納得”にたどり着くまでに
手を変え品を変える工夫が必要ですね。