運営・経営

『障害者雇用から見えた農業の弱点』

こんにちは。
グループホームHARUです。

京丸園株式会社の鈴木社長と対談の機会をいただきました。

令和4年にノウフク・アワード2021グランプリを受賞。
農業と福祉の連携を目指しています。

毎年1名ずつ少なくても障害者を1名以上雇用することを決意し、
今となっては従業員94名のうち22名が障害者。

障害者雇用をなぜ始めたのか。

当時求人を出してもほとんど人が集まらない。
集まるのは超高齢者くらい。

そのような中、ご縁があり特別支援学校から
学生を職業体験として一定期間、
引き受ける機会があったそうです。

中には、ご両親が訪れて、
「お金はいらないからここで働かせてください」
と懇願してくる人もいた。

お金のために働いている自分からすれば、
「お金はいらないから働かせてほしい」
という訴えは衝撃的だったといいます。

職業訓練の一環として障害者を受け入れて、
農業の弱点が見つかりました。

苗を入れるトレーを「綺麗に洗っておいて」と
その訓練生に作業指示をした。

しばらく経って様子を見にくると、
その1つのトレーをただひたすら洗っている光景があった。
全く作業は進んでいなかったそうです。

それを見た鈴木社長は
この子は難しいと判断したそうです。

後日、特別支援学校の先生にその事実をお伝えすると、

「どのような指示を出したんですか?
 何回どこをこするのか、どのように洗うのか。
 何枚で束ねるのか。
 あなたの指示は、指示ではありません。
 あなたの指示に問題がある」

と、こちら側の非を責められたそうです。

しかし冷静に考えてみればその通りで、
具体的な作業指示は何一つしていない。

これまでの農業は「勘」で成り立っていると
弱みを見つけたのです。

それをヒントにトレーを洗う専用の機械を用意。
どの向きでトレーを入れるのか、
洗い終わったトレーにセンサーが反応し
自動的に枚数がカウントされる。
そして1ケース分終わると音が鳴るという工夫もされる。

苗植えも同様。
感覚でやっていた作業に疑問を持ち、
オリジナルの小道具を作り、
誰でも同じようにできるようにしました。

「勘で動くのではなく、
 誰がやっても同じようにできる」

それができていないのが農業の弱点でした。

農業には人材が必要だと言われながら、
誰もができるような工夫と努力をしていなかった。

障害者雇用はそれを気づかせてくれたといいます。

能力がない、センスがないと仕事ができない。

そうではなく
どんな人でも同じようにできないか、知恵を絞る。

それが我々リーダーの大切な仕事の一つですね。

『困らせる人は困っている人』

こんにちは。
グループホームHARUです。

 

知人の紹介で
『いま目の前にいる人が大切な人』
という書籍を読みました。

書籍の中には、
著者である坪崎さんのエピソードが掲載されています。
その中の一つに小学生の辻村君の話があります。

辻村君は、学校では先生たちに目をつけられていて、
服装も校則も守らない。言動も反抗的で、
何かをいうと疑われて嫌な思いをしていたそうです。

ある日、辻村君が家出をしてきて
金崎さんが話を聞いてあげました。

よくよく話を聞くと、家出の本当の理由は

「お母さんが笑顔でいることが大好き。
 でも自分が家にいると泣いてばかり。
 自分が家にいないほうがお母さんが笑顔になれる」

というものでした。

その後、お母さんと連絡が取れて
和解をして帰宅していくというエピソードです。

「困らせる子は困っている子」
であるという実例です。

実は大人も会社員も一緒で、

「困らせる人は困っている人」

なのかもしれません。

私はまだまだ筆者のように
様々な事情を背負った人を
受け止めることができません。

少ない情報で人を
判断してしまうこともあります。

意思決定するのが仕事ではありますが、
その人の一面だけをみて、
全体を把握できているかのような
錯覚も無意識に持ってしまいます。

人の多面性をなかなか把握できない。

そして相手の行動の裏側には
何かしら事情や本当の理由がある。

それは本人が困っていることがあるかもしれない。

上辺だけの情報で、
その人を理解しているような
錯覚をしているかもしれません。

人を把握するためには、
一面だけではなく、多面的に見る。
表層部だけはなく、深層部まで見る。

相手の話を「聴く」時に
注意をしていきたいと思います。

『失敗の3種類』

こんにちは。
グループホームHARUです。

 

米ハーバード・ビジネス・スクール エドモンド博士によれば、
失敗は大きく3つの種類に分けるそうです。

1.予防できる失敗
不注意や不勉強が原因。
最小化するための「仕組み」を作ることが求められる。

2.避けられない失敗
業務プロセスそのものに問題があったり、
タスクそのものが難しすぎたりすることが原因。
責任を過剰に感じる必要はなく失敗を柔軟な心で捉える必要がある。

3.知的な失敗
米デユーク大学のシム・シトキン教授は
「歓迎するべき価値ある失敗」といっている。
主に実験的な領域で起こる。
革新的な製品やサービスを生み出す企業では知的な失敗を認め、
むしろ失敗をしてもチャレンジすることを従業員に推奨している。

 

福祉業界では「安心・安全」の価値観が上位に来る。

そのため1の「予防できる失敗」は可能な限りにゼロにすることが

求められる。

 

しかしだからといってチャレンジが止まれば、

会社も業界も衰退するしかない。

 

「歓迎するべき価値ある失敗」=知的な失敗は

チャレンジと常に隣り合わせです。

 

ある会社の経営者が自社のサービス管理責任者について

「グループホームに入居してもらう像が決まっている。

それはよい面もあるがデメリットもある。

自分たちが対応できる利用者を厳選して入居を進めることは、

一方で支援力が高まらずに止まっている気がする」と言われていました。

 

これも一つのチャレンジの形なのかもしれません。

「知的な失敗をしているか?」
と問えば、自信をもって手を挙げる人は多くありません。

失敗に対するネガティブなイメージが払拭されなければ、
心理的ブロックがかかったまま、一歩を踏み出せない。

語れる失敗をしているということは、
逆に言えばチャレンジしていることです。

毎回願い通りの結果が出るとは限らない。
チャレンジそのものを楽しめるかどうか。

皆さんは仕事が面白くないと感じたことはありませんか?

ちなみに私が仕事に飽きが来ている時は、
ルーチン化が起きている時。

新しいことにチャレンジしているときは、
生活が充実しているんですね。

チャレンジをして、自分を喜ばせる、自分を刺激する。

自分を変えることを楽しみましょう。

『“仕方がない”は可能性を奪う』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

久遠チョコレートで知られる
ラ・バルカグループ代表の夏目浩次様と対談をさせていただきました。

2018年第2回ジャパンSDGsアワード内閣官房長官賞を受賞。

久遠チョコレートは全国に52拠点。
内、直営は5店舗8拠点。

チョコレート関連事業に携わるスタッフは550名。
内、障がいを抱えるスタッフは350名。

創業時はチョコレートメーカーではありません。

障害者の雇用と賃金改善を目標にパン屋から始めました。

起業時から3名の障害者を抱え事業をスタートさせましたが、
経営状況は芳しくありませんでした。

1,000万の借金を背負い、
クレジットカード6枚でギリギリまでお金を借りて、
お金を工面し、スタッフ全員に約束通りの給与を払う。

パン屋も当然ながら生産性を求められます。

スピードが要求され、テキパキ動くことが求められます。
パンは待ってくれないのです。

障害者の待遇改善のために始めた事業でありながら、
生産性が重視される職場で、
ついてこれない障害者が出てしまったそうです。

夏目代表も本望ではなかったはずです。

その後、あるチョコラティエとの出会いからチョコレートへ業態変更。
今となっては直営店では平均16万円/月を実現できているそうです。

福祉の分野に詳しい方ならばお分かりですが、
この月給はなかなか実現できないレベルです。

福祉の世界でよく使われる言葉。

「仕方がない」

理想は○○だけど、現実は難しいから
「仕方がないよね」と使われます。

障害者の待遇も課題認識として持っている人は多数いたはずです。
(※私もその一人でした)

この給与ではたして生活できるのか…と。

でも「仕方がないよね」といって待遇改善に
チャレンジする人はほとんどいませんでした。

「仕方がない」

合理的に自分を諦めさせる、便利な言葉です。

同時に可能性を奪う、怖い言葉でもあります。

あなたの職場でも

「仕方がない」

多用されていませんか?

「仕方がない」は、
あなたを理想からどんどん遠ざけていくでしょう。

『電気代が高騰しています』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『電気代が高騰しています』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

福祉事業を運営する母体は、
社会福祉法人、NPO法人、一般社団法人、
株式会社、など。

福祉は無償でやるべきという考え方を持っている人は、
「株式会社」が運営しているというだけで、
搾取しているのでは?と疑う人がいます。

経営数値を見ていない人は分からないですが、
本当に「儲け」を重視しているならば、
他の事業をやるでしょう。

利益率などを考えれば非常に非効率ですから。

利益以上に社会への「貢献性」があるからこそ、
継続して運営されているのだと思います。

近頃の悩みは電気代です。

近年みたことがないレベルで電気代が高騰しています。
月額1.5倍近くになっています。

そして原油・ガソリンの高騰により、
日用品や食材も少しずつ値上がりしています。

さらには東京では固定資産税が上がり、
家賃まで上がってきています。

万が一、数年後に
消費税が上がればさらに苦しくなるでしょう。

日本の大多数の人は、収入は増えないのに、
生活支出ばかりが増えていると言われています。

利用者さんも同様で収入はほぼ増えません。
昇給をしても少額です。

増えないだけでなく、もともの収入が少ないので、
これ以上の生活費の負担が困難なのです。

そうなれば運営法人が、
利用者が捻出できない費用面を
リカバリーしないといけません。

法人によって考え方が異なるので一様には言えません。

契約書に書いてある通り、
預り金で足りなければ追加で請求してもらうのが普通です。

とはいえ弊社では、突発的なことであり、
光熱費の高騰は、利用者さんの努力では
どうもならないことだと判断しました。

ただし長期的にリカバリーすることは困難ですね。

一刻も早く電気・石油・ガソリン・生活必需品の
価格の安定を望みます。