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『ヤジと罵倒の住民説明会』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『ヤジと罵倒の住民説明会』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

知り合いが20名定員のグループホームを
ある地域に建設しました。

大きな施設なのでオープンする前に
住民説明会を実施されました。

周囲にチラシを撒き、3回ほど開催したそうです。

住民の質問に真摯に回答する。
それでも彼・彼女らは納得されなかったそうです。

感情的に“やめて欲しい”という領域なので、
理屈で丁寧に説明しても平行線のまま。

3回の説明会すべてに参加される住民の方もいます。

彼・彼女らもいろいろ予備知識をもって臨んでいるので、
障害者へ差別的な発言はしない。
一線を越えないようにしているんですね。

「〇〇されたらどうなんですか?
 私達は不安です」

という質問が続く。

「私の子供が公園で障害者さんに
怪我をさせられたらどうするんですか?」など。

知り合いは、ヤジを浴びて
屈辱的な時間だったと言います。

感情的に嫌だと思った住民を
「賛成側」に持ってくるのは現実的に難しい。

完成後に館内見学会をして、
何も言わなくなる人も中にはいるでしょう。

住民の「許可」をもらわないと
開設できないと思っていたら永遠に開設できない。

「賛成はしないけど仕方がない」と
諦めてもらうくらいのスタンスでやらないと
無理でしょう。

他の地域でも反対活動に熱心な住民がいることを
メディアに目にします。

社会の目が少しずつ変わっていってほしいものです。

『障害者の賃金を上げるには?』

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『障害者の賃金を上げるには?』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

とあるB型作業所へ見学に行ってきました。
ここではS社とします。

S社では利用者さんへ平均賃金4.5万/月程度を
お支払いしていると聞いたので。

最新データはわかりませんが、
全国平均では2万~2.5万円/月くらいではないかと思います。

どうやって障害者さんの賃金をあげていくか、
社会課題の一つであります。

S社で働く利用者さんは、
多くの方がキビキビ働いていました。

特殊加工された印刷物の梱包作業なので、
少し難易度が高いそうです。

職員さんも少しでも生産性をあげようと
上手に段取りを組んでいました。

何か特別に法律が変わらない限り、
B型作業所の賃金をあげていくには、

・少しでも付加価値の高い仕事を受託する
・少しでも生産性を上げて多くの仕事量をこなす

という2点しかないかなと思いました。

B型作業所も見方を変えれば企業。

企業も付加価値のある仕事を受託して、
生産性を上げて、仕事量をこなす。

そうしなければ社員給与は上がりません。

当たり前のことですが
B型作業所と企業の共通点を考えさせられました。

『上司へのハラスメントは許されるのか?』

こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

最近は〇〇ハラスメントを言葉が増えました。

より弱者側を守るという点では賛同しますが、
行き過ぎではないかと感じています。

A社のグループリーダーである久保リーダー(仮名)と
面談をしました。

久保リーダーは実務面で後輩のお手本になっていて、
年齢は若いですがチームの中核になりつつあります。

久保リーダーのチームで働く新卒2名のうち1名から、

「久保リーダーの言い方がキツイ」

という声が本部に届いたそうです。

よくよく現場の声を聞いていくと
新卒2名の内1名は、仕事を覚えるのも問題なし。
性格も明るく、職場や顧客からも好かれています。

もう一人の新卒1名(Tさん)は、
仕事を覚えるのが遅い。

Tさんからは一刻も早くマスターしようという意欲が
見られなかったり、同じミスを繰り返していたようです。

人を育てようという風土がこの会社にあるので、
複数の先輩がTさんにOJTをしてきました。

OJT担当者が変わっても、
Tさんの様子は変わりませんでした。

久保リーダーも自らTさんに仕事を教えていきましたが
手応えはありませんでした。

Tさん以外にも過去に数名、理由は定かではないにしろ、
若手社員が辞めてしまったこともあり
久保リーダーはその責任を感じていたそうです。

噂というのは怖いもので、誇張して広がります。

他部署からは

「久保リーダーの言い方がキツイから人が辞めている。
 久保リーダーは若手を潰してしまう」

と言っている人もいました。

久保リーダーは私と面談をしている時に、
泣き崩れてしまったのです。

「私はこれ以上どうしたらいいんですか…。
 人を育てるのが怖い。私にはできません。

 注意をして改善しないとお客様に迷惑がかかる。
 だからTさんには言わないといけない。

 他メンバーもさじを投げてしまった。他に言う人がいない。
 Tさんの言動を見て、気遣いないふりして
 黙認するしかないでしょうか…。

 私はどのように変わればいいのでしょうか」

久保リーダーは本当に真面目な方で、
自分に矢印を向ける方です。

むしろ責任を感じすぎて、心が病んでしまっています。

部下へのハラスメントばかりが注目されますが、
上司へのハラスメントは関心度が低い。

真面目な上司ほど傷ついているし、
上司は守らなくていい存在なのでしょうか?

攻撃されるばかりで上司が守られないならば、
ますますリーダーになりたくない人が増えそうです。

部下側からだけ見て、
ハラスメントと決めつけるのは大変危険ですね。

『仕事だと割り切れない若手スタッフ』

こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

T社での出来事です。

おじさん発言ですが、
若いスタッフの価値観の変化を感じます。

自己啓発本に、

「好きように働く」「嫌なことはしない」
「嫌いな奴とは付き合うな」
「あなたらしく働けばいい」

といった理想的な言葉が並びます。

こういった言葉に救われる人もいますが、
一方で弊害も出ている気がします。

T社で社会人3年未満の方と
面談をすることがありました。、

アドバイスもしましたが
届いていないかもしれません。

「Yリーダーとは合わないので、
一緒に働きたくない。嫌いです」

「Lリーダは威圧的な言い方をする。
極力関わらないようにしたい。顔を見たくない」

「Kさんがたまに仕事をサボっているように見える。
リーダーからKさんに注意してほしい。
Kさんとは関わりたくない」

彼・彼女らの主張は、

「自分と合う人と仕事をしたい。
 自分と合わない人とは関わりたくないし、
 関わらない」

というスタンスです。

「自分と合うか」という発想・姿勢のみで、
「相手に合わせるか」という発想・姿勢が乏しい。

自分と合う人間関係が職場にあれば、
自分と合う会社。

自分と合わない人間関係が職場になければ
自分と合わない会社。

「自分が合う」と感じている職場の多くは、
周りが「合わせている」ということに気づいていない。

自分と合わないからといって、
接点を遮断をしてしまうと、
対人関係の器が広がらない。

対人関係の器が小さければ、
自分に合う人の割合は地球上に何%いるのでしょう。

あの人とは合わない
→あの人が嫌い
→あの人とは付き合わない

その繰り返しで合う人がますます縮小化していく。

多様性と言われる時代に逆行していますね。

最初は“合わない”と思った人とも付き合って、
多様な免疫ができて、対人関係の器が広がって、
色んな人と仕事ができるようになっていく。

これが社会人成長のプロセスかと思います。

「合わない」「苦手」と思った人とも、
仕事だからと割り切って
「遮断しない」というスタンスで
働いてほしいものです。

『利用者は本能で人を見分ける』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『利用者は本能で人を見分ける』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

ある福祉事業者社の責任者Yさんが
こんなことを言っていました。

「利用者さんから良くスタッフの評判を聞きます。
もちろんスタッフ本人には伝えませんよ(笑)

スタッフAさんは好きだけど、
スタッフBさんは苦手。

スタッフCさんは相談しやすいけど、
スタッフDさんは相談しにくい。

スタッフEさんは優しいけど
スタッフFさんは優しくない」 等など。

「その評価を聞くととドキッとするんです。

なぜならもちろん相性もあるのだけれど、
 私から見て、スタッフから見た利用者への愛情の深さが
 そのまま利用者の評価になっている。

スタッフAさんは形式的な支援をしているが、
利用者Kさんへ思いやりがあるかといえば疑問符でした。

実際の声としてKさんは、
スタッフAさんに良い思いを思っていない。

だからスタッフの心底からの思いが
利用者には実は伝わってしまっている」

伝える力が得意とは言えない利用者さん。

伝える力が得意ではない分、本能で感じ取り、
人を見分ける力が鋭いのかもしれません。

「自分を受け入れてくれているか」
「自分は愛されているか」

スタッフの言葉の裏側にある
本心を感じ取っているから、
スタッフへの好き・嫌いが
芽生えているのかもしれません。