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『距離感は徐々に・段階的に縮める』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『距離感は徐々に・段階的に縮める』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

利用者さんからの本音を聞く機会があります。

「世話人のAさんは好きだが、Bさんが好きではない」

「世話人のCさんは苦手。世話人のDさんは大好き」など。

好き嫌いで人を区別しないようには努めますが、
なかなか難しい。

「今日は〇〇さんが出勤か…」と
シフトをチェックしている利用者さんもいます。

ファーストコンタクトは特に注意する必要があります。
印象は後まで引きずるので。

利用者さんも新しい職員の採用が決まると、
どんな人が来るのか、
ドキドキ、ソワソワしているケースをよく見かけます。

出勤日数が少ない世話人さんは、
短い期間で距離を縮めたいと考えます。

早い段階で利用者さんとたくさん話をして、
距離と縮めたいという人もいます。

たくさん話しかけられることを嬉しいと感じる利用者もいますが、
一方でそれを毛嫌いする利用者もいます。

短い時間で、根掘り葉掘りプライベートなことまで聞かれると、
相手は引いてしまう。

仲良くなりたいというのが支援者側の気持ちですが、

「なんでそんなことまで言わないといけないの?」

と思われていることも。

勉強熱心なことが裏目に出て、
利用者の特性を把握したいと思いから、
初回からたくさん質問をしたことが
裏目に出てしまうこともあります。

なのでそういう利用者さんには、
ゆっくり、段階的に距離を縮めるように、
あらかじめ世話人さんへ伝えておかなければなりませんね。

コミュニケーション力に自信がある人は、
利用者さんと話す・聞く量を増やそうとする。

でも相手の特性を見誤ると
土足で踏み込まれた感覚になってしまう。

ファーストコンタクトで失敗しないように、
利用者情報の共有は大切ですね。

『雪が降っても社長の責任』

こんにちは。
グループホームHARUです。

経営コンサルタントの一倉定氏は、

「電柱が高いのも郵便ポストが赤いのも社長の責任」と言っている。

「自分が知らないところで起きた外部変化や
社員の行動も社長の責任である」と思えるくらい、
経営トップは高い次元の責任感を求めているのでしょう。

書籍『戦わない経営』の中で浜口社長は、
「雪が降っても自分の責任」と言っている。

「雪が降ったな、これでお客さんが減るな…」

雪が降れば、雪に言い訳をしていないか?

雪を言い訳にしても何も変わらない。
「雪が降っても自分の責任」と
覚悟しなければいけないということだ。

「人生で起こるすべてのことは100%自分の責任」
自分の人生としっかりと向き合わなければいけないと
言っている。

電柱だろうが、ポストだろうが、雪だろうが、
もはや何でもいいが、
そこまで経営者は「自分の責任」と捉えないといけないのか?

それは無理だと考えていた。

しかし近年はこの言葉に対する「捉え方」が変わった。

経営者は他責にしても誰からも何も言われない。

会社で問題が起きれば、
問題を起こしたA社員が悪いわけで、
自分が悪いとまでは考えない。

さらに別の問題がおきれば、
問題を起こしたB社員が悪いわけで、
自分が悪いとまでは考えない。

経営者は多くの場合、
会社の中で最も会社のことを考えている。

人生やプライベートにおいて犠牲も払っている。

常に真剣勝負をしている。
これ以上、自分が責められることは辛い。

経営者は間違いなく他責思考を
社内メンバーから指摘されにくい。

「社長!他人のせいにしないでください」
と社員から言われた社長は少ないでしょう。

自分に都合の良い言い訳をしても、
誰からも何も言わないのが経営者です。

もう一つ。
経営者の決定は、社内への影響が多い。

上記の様に問題を起こすA社員、B社員が出るならば、
なぜ問題を起こすような環境を作っているのか。

問題があると気づいていながら、
なぜこれまで改善しなかったのか。

やはりそこには経営者自身に原因のルーツがあると
考えなければ、根本的な解決策に踏み込まないだろう。

経営者ほど自責でとらえることが
難しい条件がそろっている人物は社内にはいない。

だから「雪が降るのも自分の責任」くらいに考えて、
ちょうどいいのかもしれない。

『食事は利用者の楽しみの一つ』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『食事は利用者の楽しみの一つ』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

グループホームの入居者さんの話を聞くと、
食事は一つの楽しみです。

ずっと一人暮らしをしていた方が
私たちのグループホームに入居したとき、

「やはり手作りの料理が食べられるって幸せですね。
毎日、スーパーの総菜ばかり食べていました」

と言われていました。

料理をすることが好きな人は別ですが、
面倒だなと感じる方は料理をしなくなる。

バランスのとれた食事ではなく
好きなもの中心の食事になる。
すると健康を崩すことに繋がります。

グループホームの食事提供は、大きく3形態くらいに分けられます。

1.メニューづくりから買い出しまで職員が行う

2.ヨシケイやタイヘイなどを使い、
  決められたメニューを作る。食材は届く。

3.湯銭や冷凍などを使い、
  簡単に温めて提供する

3の選択肢をとるグループホームが増えている気がします。

ご飯だけ焚けたらOKです。
メリットは調理ができなくてもよいスタッフを採用できます。
調理の時間を削減し、ほかの業務ができます。

1の選択肢を取ることのメリット。
利用者の好きなメニューを組み立てることができます。
食べられないメニューを提供しなくて済む。

一方、デメリットはメニューを考えることが
負担になってしまったり、
買い出しを職員さんに依頼しているところは、
買い出しが負担に感じてしまうことがある。

2の選択のメリット。
メニューを考えなくてもいい。
栄養士が考案したバランスの取れたメニューが提供できるし、
買い出しに行かなくて済む。

デメリットは小ロットだと頼みにくい。
利用者の食事キャンセルなどが反映しにくい。
食べ盛りの男性には少し量が物足りない。

それぞれメリットとデメリットがあります。
弊社では2と1を併用しています。

3については見送っています。

上記の「食事が楽しみの一つ」という利用者の声を
大事にしたいからです。

自分が利用者の立場なら、
湯銭や冷凍を毎日食べたくないかなと思うからです。

味噌汁ひとつとっても、
世話人によって若干味付けが変わる。

むしろ違いがあってよいかなと思っています。

正解はないですが、食事提供の形態にも
ホームの考え方が反映されています。

『嘘をつくことは自分を追い詰める』

こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

利用者さんの中には、
咄嗟に嘘をついてしまう人もいます。

なぜ嘘をついてしまうかといえば、

「自分をよく見せたい」
「褒められたい」
「怒られたくない」
「心配されたくない」
「嫌われたくない」

などなど、理由は様々です。

緻密に計算して嘘をつくというより、
無意識に言葉や態度に出てしまう。

例えば…、

・仮病を使って会社にいけるのに欠勤する
・お腹が痛いといって、仕事に遅刻や早退する
・雨や気温が低いと、体調が優れないと言って休む
・体調が悪いといって、職員の気を引こうとする
・甘いものを食べてはいけないことになっていても、内緒で食べてしまう
・無駄遣いをしてはいけないと言われていても、内緒で浪費してしまう
・部屋の掃除をしていなくても、掃除をしたと申告する
・お風呂で体をよく洗うように言われていても、
シャワーを浴びるだけで終わらせてしまう

あげたらキリがありませんが、
咄嗟に出てしまうようです。

愛らしい嘘もあれば、不のサイクルに入ってしまう嘘もあります。

支援者も嘘をついているのは分かっています。

嘘をつかれている支援者もショックでしょう。

子供の時に「嘘をついてはいけません」と
私たちは道徳として学んでいますから。

傷つくのは支援者だけではありません。
本人も自分で自分を傷つけています。

真面目な性格や良心を持っている人ほど、
嘘をつけばつくほど、罪悪感が蓄積されていく。

嘘をついてしまった支援者を前にすると
顔を正面から見れずに、居心地も悪い。

それが続いていけば、
「職場を辞めたい」「グループホームを出たい」と
発展してしまいます。

それは明確に嫌な理由があるというより、
居心地が悪い環境から逃げたいという心境でしょう。

嘘をつくことは巡り巡って、
自分を最も苦しめることになる。

「嘘をついてしまってごめんなさい」

と言ってもらえる支援者でありたいと思います。

『程よい距離感がベスト』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『程よい距離感がベスト』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

グループホームは、
複数の利用者が同じ屋根の下で長い時間暮らします。

ですから各利用者の長所だけではなく、
短所まで見えてきます。

職員は当然、長所と短所に把握しながら
支援の仕方に反映させるのは当然のことです。

しかし難しいのは、
利用者同士の人間関係です。

様々なことがきっかけで、口論が起きたり、
互いに態度で表明したりします。

本人に悪気はないのですが、
タイプ的には「世話焼き」の方が
他者と衝突することが多いように感じます。

「洗濯は〇〇したほうがいいよ」

「掃除は○○したほういいよ」

「ルールで決まっているんだから
 〇〇しないとダメだよ」

「Aさん、〇〇してください。
 もう時間ですよ」

本人の意図としては、
良かれと思って助言しているようです。

しかし言われている利用者は
「指示」「注意」と受け止めている。

すると世話焼きの利用者のことが
苦手になっていく。

他人に関心があることは
決して悪いことではないのですが、
相手が「干渉される」と思ってしまえば、
迷惑でしかない。

利用者同士を
“程より距離感”にできないか。

運営者の悩み所です。