『好きなスタッフと嫌いなスタッフ』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『好きなスタッフと嫌いなスタッフ』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

「親子の間で最も大事なことは
 愛情である。

 親が子供へ愛情を注いだ分だけ、
 豊かな心が形成される」

こんなことを幼児教育専門家の方から
言われました。

本当にその通りだと思います。

福祉の世界でも、

「支援者の愛情は必ず利用者へ伝わる。
 だから愛情が支援のベースになくてはならない」

と言っている方がいました。

これについては一部が正しく、
一部は誤りであると感じています。

「愛情が支援のベースにあること」

これについては否定しません。

 

「支援者の愛情は必ず利用者へ伝わる」

これについては、疑問です。

血のつながった本当の家族であるならば、
言葉の裏側にある愛情まで伝わることはあります。

しかし支援者と利用者という関係の中では
根底にある愛情よりも、
表面化された言葉や態度の方がより伝わる。

愛情が仮にあっても、
言葉のチョイスを間違えたり、
態度の印象が悪ければ、
利用者との信頼関係は築けないでしょう。

グループホーム内では、利用者さんが

「スタッフAさんは好き。
 Aさんにたくさん出勤してほしい」

「スタッフBさんは嫌い。
 Bさん以外の人に来てもらいたい」

といった話題を出すことがあります。

スタッフのシフト表を
私たち以上によく見てチェックしている方もいます。

 

概ね好きなスタッフとして名前が挙がる人は、
希望を聞いてくれたり、
注意をせずに、優しく接するスタッフです。

逆に嫌いなスタッフとして名前が挙がる人は、
彼・彼女らの要望にはっきりとNO!という人であったり、
耳の痛いことでも注意をする人であったりします。

性格による所もあるので、
父性役のスタッフ、母性役のスタッフと
役割を分けているホームもあるでしょう。

父性役のスタッフの方が
利用者から好かれない傾向があるように思います。

正しさや厳しさを発動する父性役。
根底に愛情があっても、
なかなか報われることは少ない。

「愛情があれば伝わる」と考えるのは、
あまりにも雑な考え方です。