こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。
「経営者は経営の仕事、
現場は現場の仕事をすればいい」
これは一理あります。
しかし、経営の仕事だけしていればいいわけでも
現場の仕事だけしていればいいわけでもありません。
以前、見学に行かせてもらったB型作業所で、
率直な質問をさせてもらいました。
「定員16名に対しては50%しか利用者がいない。
この状態で大丈夫でしょうか?」
すると現場のB社員は、
「私の仕事は利用者に適切な支援をすることなので、
稼働状況はよく分かりません。上の方に聞いてください」
と言われていました。
危機感のようなものが全く伝わってこなかったので、
こちらが心配になりました。
案の定、3年経ってもそこの作業所の稼働率は
50%前後から変わっていないようです。
身の回りのことに置き換えれば分かると思うのですが、
そのあたりに立っている10階建てのビルが、
5フロアーしか埋まっていない。
残り5フロアーは空室。
このままだとまずいって誰でも気づきますよね?
もちろんB社員が言う通り、
現場でできることにはある程度限りがあるでしょう。
ただ全体的な数字を全く把握していないならば、
頑張っている方向性が正しいのか、
頑張りの途中経過も見えません。
稼働率という数字が出てくると
ビジネスぽく見えて嫌う方がいます。
収支がマイナスになれば、誰が被害を被るのか。
そこで働くスタッフの処遇です。
そして立ち行かなくなれば、
最終的に迷惑をかけるのが入居者さん・利用者さんです。
「社会福祉法人は潰れない」
と胡坐をかいでいる方がたまにいますが、
こちらが心配になってきます。
「どんな業態業種であれ赤字は悪である」と
私は教わってきました。
福祉であろうが赤字は悪であると
捉えるべきではないでしょうか。