━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『義務感や常識で動かそうとしない』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。
知的障害者向けのグループホームを運営する管理者と
意見交換を行ったときの話です。
1年間休まずに就労先へ通うことができれば理想。
ただし現実はなかなかそうともいかない。
一度リズムが崩れてなかなか職場に足が向かないと
いうことも起きます。
おそらくホーム側としてはあれこれ、
いろいろな知恵を絞って気持ちよく職場に
送り出せるように工夫しています。
ただ「体調が悪い」と言われてしまえば、
なかなか強く勧めることもできません。
病院に行っても、
「心配する必要はないですね。
しばらく休んで様子を見てください」
と言われて一般的な処方箋を出される。
医者に「しばらく休んで」と言われれば、
そのとおりにせざるを得ない。
勝手な判断をしない運営者が多いかと思います。
これが習慣になってしまい、
2日出勤して1週間休む、
また2日出勤して1週間休む、
といったことが起きることもある。
すると運営者側も心の中では焦りが出てきます。
利用者の立場に立った支援が必要だ
と分かっていながらも、
このまま負のループから
抜け出せなくなったらどうしよう…と。
そうすると無意識にうちに
「コントロール願望」が働いてしまうんですね。
以前あるクリニックの先生に
言われたことがあります。
「通常、皆さんが出勤する動機になっている
“義務感”や“常識”。
利用者はこれで動くとは限らない。
理性よりも本能が優る。
理性でいくら訴えても、なかなか伝わらないでしょう」
焦りが出てくると、
「〇〇するのが世間の常識」
「〇〇しないと生活ができない」
「〇〇するのが当たり前なのに、なぜやらないのか」
と利用者を見てしまう。
一度物差しができると物差し通りにいかない時に、
人は怒りの感情が芽生えてしまう。
「義務感」や「常識」で動かそうとしていたら、
「コントロール願望」が強くなっていると自覚しないといけませんね。