『利用者を褒める行為は是か非か?』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『利用者を褒める行為は是か非か?』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

褒め方を専門にする講師から
このように教わりました。

「従業員を褒めることは否定しませんが、
コントロールしたい願望は捨てないといけない。

評価的な表現、上から目線での表現は
避けるべきです」

具体的なセリフで言うと、

「〇〇ができて偉いね」

「〇〇さん、やればできるじゃない」

「〇〇ができて、さすがだね」

「〇〇ができて、すごいね」

といったものです。

「評価的表現、上から目線での表現はNG」

これは理解できます。

そのため福祉の業界に来た時に違和感がありました。

主に知的障害者を対象にしますが、
グループホームや短期入所、障害者の就労先において、
40歳、50歳の成人男性・女性に上記のような表現を
頻繁に使っていました。

「〇〇さん、偉いね」

「〇〇さん、すごいね」

年齢を重ねた成人利用者に、
20代、30代の年下職員が
「〇〇さん、偉いね」と言っている。

子供扱いしている?と
当時はおかしいなと思っていました。

しかし私もいつの間にか
最近では同じような言葉を使っていることに
気づきました。

「〇〇さん、偉いですね」

やる気になって次のステップを
目指そうとしてくれるならば、
言い方は過剰に意識しないという考え方があります。

たとえ褒める言葉であれ、
相手をリスペクトした言い方でなければ、
おかしいという考え方もあります。

ある利用者は、

「言い方は特に気にならない。
褒められる行為そのものが嬉しい」

と言っていました。

なのでこの問については、
答えは出ませんでした。

これは一例ですが、
もはや福祉の世界の中での常識が、
他業界から見れば非常識ということがある。

外の目で自分の言動を振り返りたいと思います。