運営・経営

『事実か?それとも“甘え”か?』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『事実か?それとも“甘え”か?』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

グループホーム勉強会に参加すると
こういった相談が寄せられました。

「皆さんのグループホームでは利用者さんを
 職場にどのように送り出していますか?

 利用者Aさんが就労先に行くことをよく拒みます。

 お腹が痛い、頭が痛い、身体がだるい。
 と訴える。

 体温を測っても熱はない。
 
 本当に体調が悪いのか、
 ただ仕事を休みたい“甘え”なのか。
 見極めが難しい」

他のグループホームでも“あるある”ネタのようです。

統計をとっていくと
毎週月曜日に休みがちになる。
または週終わりの金曜日に休みがちになる。

本当に体調が悪い時もあります。

体調が悪くなく、
ただ“行きたくない”だけの時もあるようです。

体調の悪さを配慮しながらも

「早退してもよいから職場の職員さんへ
顔を見せてきてください」と背中を押す。

結果、問題なく1日通常通り勤務をして、
夜に聞くと体調が悪かったことを忘れている方もいる。

本当に当人の体調が悪くて出勤を促すと
何かあった時にホームの責任になるので、
本人の訴えがあれば毎回休ませるという選択肢を
取っている所もあるようです。

人間誰だって“甘え”はあるかと思います。

甘えを発見しても時にはスルーすることも必要。

慢性的になる甘え、一線を超えた甘えは
将来への問題を自ら作り上げることになる。

どのように対処するか。
ホームの考え方が現れますね。

『問題を解決しないことも支援』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『問題を解決しないことも支援』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

障害者に起こる問題に過剰反応する人に
出会うことがあります。

「Aさんは職場で人間関係が上手くいっていないです。
これは職場側にどうにかしてもらわないといけない」

「Bさんは就労先で他の人より作業が遅くて自信を失っている。
自信を失わないように支援をしてもらわないといけない」

「Cさんは勤務先までの通勤時間がかかって身体的疲労がある。
もっと近くで就労先を探さないといけない」

どれを聞いても、

「(できるなら)そうしたほうがいい」

というものばかり。

でも冷静に考えていると、障害を持っていない人でも
同じ問題にぶつかることはごく日常。

誰だって、人間関係に躓くこともある。
就労先でなかなかスキルが上がらないこともある。
通勤が大変というのもある。

ならば支援者がそれを解決しようとすることが
果たして是なのか…。

もちろん障害特性によって、
無視できないものがあるのことは重々承知しています。

誰しも問題が何一つない環境で
生きていけるのが安心・安全だとは思いますが、
現実はそうではない。

常に何か問題は降りかかります。

支援者が過剰に問題解決に踏み入れ、
障害をお持ちの方にとって
桃源郷=無菌状態を作ろうとすることは
長い目で見たら支援なのか。

あえて問題を“解決しない”ということも
支援の1つではないかと思います。

『万人が喜ぶことを諦める』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『万人が喜ぶことを諦める』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

先般、グループホームの会合がありました。
S社の久保田社長(仮名)が利用者の経済格差について
触れていました。

ご家庭が経済的に豊かな方は、
身につけているものがブランド品だったりします。
買いたいものもご両親に相談し、
揃えてもらっていて特に不自由がないそうです。

一方でご家族の支援が得られない方は
ギリギリの生活をされています。
衣類などもなかなか購入できず、
買いたいものの大半を我慢している。

久保田社長はこんなことを言われていました。
「彼らはグループホームに入るまで、
育ってきた環境が経済的にかなり差がある。
 6畳の部屋が十分な広さという人もいれば、
狭いという人もいる。
 外食ツアーで食べ放題を企画すると、
喜ぶ利用者もいれば、あんなものは食えないという
利用者もいる。

小旅行を企画した時も、初めて行くから楽しみに
する人もいれば、何度も行っていて飽きている人もいる。

 ささやかながらクリスマスプレゼントを用意したら、
喜ぶ人と喜ばない人もいる。

利用者の育ってきた環境が違うので、
同じことをしても感じ方がそれぞれ異なる」


同じ屋根の下に住むとはいっても、これまで
彼・彼女が育ってきた「当たり前」基準が異なります。
なかなか一つの物差しで
進められないのが難しい所ですね。

『一生懸命さが心を動かす』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『一生懸命さが心を動かす』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

親バカだからでしょうか。
幼稚園の子供の生活発表会を見ると、
とても感動します。

上手か上手でないかという基準ではなく、
ひたむきに一生懸命に練習してきたことが
想像できるからです。

人が懸命に努力する姿は美しい。
なにか力になってあげたいという気持ちに
自然となります。

これからグループホーム事業を始めたいという人から
相談を受けることがあります。

「サビ管を紹介して下さい」

「いい物件を紹介してください」

「スタッフ採用の方法を教えてください」

相談ではなくもはや「依頼」ですね。

全国に同業の経営者仲間がいますが、
誰に聞いても、苦労しています。

誰しも通る道なんです。

あれこれトライ&エラーを繰り返しながら、
最善の方法を模索しています。

苦労して獲得したノウハウや経験は、
一生懸命な姿が見える人にしか
教えたくないと思ってしまうんですね。

逆に身体を壊すギリギリのラインで現場に入り、
グループホームを運営している経営者がいる。

こういう人には、惜しみなく力になりたいと思います。

「教えてください」という前に、
自分に「教えてもらえる資格」があるか。

スタッフや社員ならばそこまで求めませんが、
経営者ならば、そこまで考えてもらいたいと思います。

『親子関係は近すぎず遠すぎず』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『親子関係は近すぎず遠すぎず』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

利用者Aさんのご家庭の様子です。

息子であるAさんとお母様は
家にいるとケンカばかり。

利用者Aさんは拘りが強く、
何回も何回も同じ話をする。

お母様も気持ちにゆとりがあるときは、
その会話に付き合うが、
何度も同じ回答をしていると精神的に弱ってしまう。

それで怒鳴ってしまって、
二人が口論する場面がよくあるそうです。

支援者の方がこういった状況を見て、
将来的なことを考えても、
二人の距離を取った方がいいと判断し、
グループホームを勧められます。

確かに毎日顔を合わせているとケンカになってしまうけれど、
グループホームに入り、週末しか会わないと、
ケンカが少ない。

むしろ職場やグループホームでの困りごとを母親に連絡して、
相談する側とされる側の関係ができたりします。

距離が近すぎるから、ついワガママが出て
衝突してしまうことがあります。

グループホームは自立支援という側面だけでなく、
親子の距離を適度に保つことで、
親子関係を再構築することにも繋がると思います。

親元を離れたからこそ、
親の支援のありがたさが分かったと
いう利用者も中にはいました。

近くだから気づけない。
適度に遠くなるから気づけることがある。

これもグループホームの良さですね。