運営・経営

『2020年障害福祉事業の倒産件数』

こんにちは。
大田区・世田谷区で障害者向けグループホームを運営する松本です。

東京商工リサーチに3月4日に発表した
2020年障害福祉事業の破綻は、
倒産が20件(前年比10件減)、
休廃業・解散が107件、合計127件。
前年より9件減少。

倒産が減ったのは新型コロナウィルス対策の
支援策が奏効したためだという。

一方で慢性的な人手不足に加え、
コロナ渦の感染防止対策の負担増などで業績が低迷。

体力が残っているうちに事業停止を選択する
事業者が多かったためと見られているそうだ。

確かにコロナ渦で例年以上の経費がかさみました。
今年は支援金がだいぶ助けられています。

しかし来年度以降は感染症対策の基準は下げられず、
支援金は打ち止めになるでしょう。

経費が下げられず、本格的に経営が圧迫されるのは
来年度以降になるでしょう。

助成金・支援金は非常に助かります。

しかしこれに甘えてしまって、
赤字から脱出できなくなれば、
持続的な運営は難しくなります。

助成金・支援金に頼らずに、
いかに自立経営するか。

経営者は知恵を求められます。

『小規模事業者は生き残れるか?』

こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

3年の1回の報酬改定が今月発表されます。

ベース案が出ていますがほぼ変更なしで
4月から施工されるでしょう。

特に夜間報酬が障害支援区分3以下の単価が
大幅に下げられます。

より重度に資金を回したい。
そのための原資を中軽度から
持ってきたいという意図でしょう。

その説明だけ聞くとその通りでしょうが、
問題はだからといって夜間職員の人件費を下げられるか…。

支援区分がどうであれ、
求人市場で夜間職員の給与の相場は決まっています。

仮に改善をするにしても、1時間程度削減するなどで、
1日1,000円程度の削減が限界でしょう。

さらに薄利モデルになってしまった現状で、
投資額をどのように回収するのか、
銀行への返済をどのように対応するか。

経営者の方は悩まれていると思います。

特に小規模事業者で、
福祉事業のみされている方。

上記の報酬改定のもう一つの背景。

近年「FCでグループホームを一気に増やそうとする会社が出てきて、
そこにメスを入れるため」といっている方もいます。

数年前の放課後等デイサービスと同じ状況です。

加速度的に増えている事業者があれば、
「おかしい」とメスが入る。

メスが入れば利益率が下がる。
利益率が下がると「小規模事業者」から潰れていく。

高齢者向け介護事業者がまさに今その状態ですね。

生き残るために、または入居者の生活を守るために
小規模事業者は売りに出て、M&Aが進むという流れです。

他の業界であれば、
小規模事業者でも知恵を使えば健全な運営ができる。

しかし福祉の分野では、
小規模事業者が有利に働くことはほぼないです。
報酬の上限が決まっているので。

以前は、
「なぜ介護福祉業界は大手3社~5社が現れないのだろう…」
と思っていました。

業界に入ってみると、
現れない構造になっていることに気づきます。

小規模事業者ほど経営が難しい。
かといって日本を代表するような大企業は現れない。

結果、10年単位で考えれば、
中堅規模の法人が残っていくになるでしょう。

『雪が降っても社長の責任』

こんにちは。
グループホームHARUです。

経営コンサルタントの一倉定氏は、

「電柱が高いのも郵便ポストが赤いのも社長の責任」と言っている。

「自分が知らないところで起きた外部変化や
社員の行動も社長の責任である」と思えるくらい、
経営トップは高い次元の責任感を求めているのでしょう。

書籍『戦わない経営』の中で浜口社長は、
「雪が降っても自分の責任」と言っている。

「雪が降ったな、これでお客さんが減るな…」

雪が降れば、雪に言い訳をしていないか?

雪を言い訳にしても何も変わらない。
「雪が降っても自分の責任」と
覚悟しなければいけないということだ。

「人生で起こるすべてのことは100%自分の責任」
自分の人生としっかりと向き合わなければいけないと
言っている。

電柱だろうが、ポストだろうが、雪だろうが、
もはや何でもいいが、
そこまで経営者は「自分の責任」と捉えないといけないのか?

それは無理だと考えていた。

しかし近年はこの言葉に対する「捉え方」が変わった。

経営者は他責にしても誰からも何も言われない。

会社で問題が起きれば、
問題を起こしたA社員が悪いわけで、
自分が悪いとまでは考えない。

さらに別の問題がおきれば、
問題を起こしたB社員が悪いわけで、
自分が悪いとまでは考えない。

経営者は多くの場合、
会社の中で最も会社のことを考えている。

人生やプライベートにおいて犠牲も払っている。

常に真剣勝負をしている。
これ以上、自分が責められることは辛い。

経営者は間違いなく他責思考を
社内メンバーから指摘されにくい。

「社長!他人のせいにしないでください」
と社員から言われた社長は少ないでしょう。

自分に都合の良い言い訳をしても、
誰からも何も言わないのが経営者です。

もう一つ。
経営者の決定は、社内への影響が多い。

上記の様に問題を起こすA社員、B社員が出るならば、
なぜ問題を起こすような環境を作っているのか。

問題があると気づいていながら、
なぜこれまで改善しなかったのか。

やはりそこには経営者自身に原因のルーツがあると
考えなければ、根本的な解決策に踏み込まないだろう。

経営者ほど自責でとらえることが
難しい条件がそろっている人物は社内にはいない。

だから「雪が降るのも自分の責任」くらいに考えて、
ちょうどいいのかもしれない。

『食事は利用者の楽しみの一つ』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『食事は利用者の楽しみの一つ』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

グループホームの入居者さんの話を聞くと、
食事は一つの楽しみです。

ずっと一人暮らしをしていた方が
私たちのグループホームに入居したとき、

「やはり手作りの料理が食べられるって幸せですね。
毎日、スーパーの総菜ばかり食べていました」

と言われていました。

料理をすることが好きな人は別ですが、
面倒だなと感じる方は料理をしなくなる。

バランスのとれた食事ではなく
好きなもの中心の食事になる。
すると健康を崩すことに繋がります。

グループホームの食事提供は、大きく3形態くらいに分けられます。

1.メニューづくりから買い出しまで職員が行う

2.ヨシケイやタイヘイなどを使い、
  決められたメニューを作る。食材は届く。

3.湯銭や冷凍などを使い、
  簡単に温めて提供する

3の選択肢をとるグループホームが増えている気がします。

ご飯だけ焚けたらOKです。
メリットは調理ができなくてもよいスタッフを採用できます。
調理の時間を削減し、ほかの業務ができます。

1の選択肢を取ることのメリット。
利用者の好きなメニューを組み立てることができます。
食べられないメニューを提供しなくて済む。

一方、デメリットはメニューを考えることが
負担になってしまったり、
買い出しを職員さんに依頼しているところは、
買い出しが負担に感じてしまうことがある。

2の選択のメリット。
メニューを考えなくてもいい。
栄養士が考案したバランスの取れたメニューが提供できるし、
買い出しに行かなくて済む。

デメリットは小ロットだと頼みにくい。
利用者の食事キャンセルなどが反映しにくい。
食べ盛りの男性には少し量が物足りない。

それぞれメリットとデメリットがあります。
弊社では2と1を併用しています。

3については見送っています。

上記の「食事が楽しみの一つ」という利用者の声を
大事にしたいからです。

自分が利用者の立場なら、
湯銭や冷凍を毎日食べたくないかなと思うからです。

味噌汁ひとつとっても、
世話人によって若干味付けが変わる。

むしろ違いがあってよいかなと思っています。

正解はないですが、食事提供の形態にも
ホームの考え方が反映されています。

『程よい距離感がベスト』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『程よい距離感がベスト』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

グループホームは、
複数の利用者が同じ屋根の下で長い時間暮らします。

ですから各利用者の長所だけではなく、
短所まで見えてきます。

職員は当然、長所と短所に把握しながら
支援の仕方に反映させるのは当然のことです。

しかし難しいのは、
利用者同士の人間関係です。

様々なことがきっかけで、口論が起きたり、
互いに態度で表明したりします。

本人に悪気はないのですが、
タイプ的には「世話焼き」の方が
他者と衝突することが多いように感じます。

「洗濯は〇〇したほうがいいよ」

「掃除は○○したほういいよ」

「ルールで決まっているんだから
 〇〇しないとダメだよ」

「Aさん、〇〇してください。
 もう時間ですよ」

本人の意図としては、
良かれと思って助言しているようです。

しかし言われている利用者は
「指示」「注意」と受け止めている。

すると世話焼きの利用者のことが
苦手になっていく。

他人に関心があることは
決して悪いことではないのですが、
相手が「干渉される」と思ってしまえば、
迷惑でしかない。

利用者同士を
“程より距離感”にできないか。

運営者の悩み所です。