運営・経営

『入院は経営リスクに繋がる』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『入院は経営リスクに繋がる』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

自社では知的障害の方がメインですが、
精神障害の方を対象にしているホームもあります。

そのホームの管理者をしている方が
利用者の「入院」について悩まれていました。

「精神障害を持っている利用者のAさんは、
 だいたい3ヶ月に1回くらいの頻度で、
 約1~2ヶ月程度、精神科へ入院をすることを
 繰り返しているんです」

「過去の記録をみても、
 季節が変わるタイミングくらいに調子を崩す。
 担当ドクターの診察を受けると、
 “では入院して落ち着きを取り戻しましょう”と
 言われることが多い」

ここ数年間は、
体調を崩すと入院。退院してグループホームへと
サイクルを繰り返しているとのことでした。

利用者の健康面や精神的な安心を考えれば、
懸命な判断かと思います。

一方で運営者側は収支上では厳しくなります。

「支援を提供するから報酬が出る」という原則がありますので、
入院している=グループホーム側は支援をしていないということになります。

入院中も空き部屋のまま運営することになります。

入院時の加算もありますが、
微々たるもので、充足できません。

このグループホームでは、懐事情として
Aさんが入院する期間は赤字になってしまうそうです。

Aさんの入院が決まると、
「正直、胃が痛い」とおっしゃっていました。

心情的にAさんが返ってくる場所を
なくすわけにもいきません。
退院後の行き先がなくなってしまうので…。

特に解決策があるわけではありませんが、
福祉と経営を成り立たせるには、
常に難しさがあります。

『障害支援区分≒支援の難易度』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『障害支援区分≒支援の難易度』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

利用者がグループホームを利用するにあたり、
多くの場合、障害支援区分の認定を受けます。

一次判定と二次判定を経て
決定されるようです。

身体介助関係、日常生活介助関係、
行動障害関係などの項目から評価されて、
決定されます。

「障害支援区分が高い=スタッフの支援が困難」と
考えられがちです。

しかし、スタッフ目線でいうと必ずしも
「障害支援区分が高い=支援が困難」
とも限りません。

かえって
「障害区分が利用者の方が支援が困難」
という声も聞くときがあります。

おそらく本人としては“自分ひとりでできる”と
思っているが、周りから見れば“自立自走は困難”と
判断され、ギャップが埋まらない。

本人のプライドを傷つけずに
そのギャップをいかに埋めるかに
苦労されるのだと思います。

ですから障害支援区分は、絶対的な数値ではなく、
あくまでもバロメーターとして
見るくらいにしたほうがいいでしょう。

『お客様は目の前の利用者だけではない』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『お客様は目の前の利用者だけではない』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

お客様は誰なのか、事業によって異なるでしょう。

様々な業界に経営者の友人がいますが、
お客様が誰なのか、間違えてはいけません。

例えば塾や幼児教室、子供の習い事など…。

半分は子供がお客様ですが
半分は親がお客様です。

子供が満足しても親が満足しなければ、
サービス利用は続かない。

「なんでうちの子だけ○○なんですか?」

「うちの子だけ厳しく注意を受けたといいますが
 なぜですか?」

「うちの子だけ差別をされている」

運営側が予想していない親の声が届くことがあります。

誤解である事が多いのですが、
やはり親は子供の話をまずは信じますよね。

私も子供の話をまずは信じます。

でも子供のフィルターがかかった話に
転換されていないかに注意はしますが…。

子供の話を聞き、
それが事実かと思い込んでしまうのは
仕方ないかもしれません。

高齢者関連施設でも同様。

施設に入っている利用者の話が歪曲されて
家族に伝わることがあります。

障害者関連施設でも同様。

グループホームに住む利用者の話が歪曲されて
家族に伝わっていることもある。

ご家族から見て信頼できる施設なのか、
絶対的に信頼するスタッフがいるのか。

この条件が整っているかどうかで、
その後の展開は変わっていくでしょう。

利用者と利用者の家族、
どちらとも信頼を積み上げていかないといけませんね。

『誰しも自分に甘く、他人に厳しい』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『誰しも自分に甘く、他人に厳しい』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

私達が想像している以上に、
利用者さんは世話人の仕事ぶりを
よく見ていたりします。

「世話人Aさんは、
ハンバークを焦がしたことがある。
しかも味が薄い」

「世話人Bさんは、トイレ掃除が雑。
他のスタッフに比べると
掃除が行き届いていない」

「世話人Cさんは週明け出勤日には
機嫌が悪い時がある。
キツイ言い方はしないが顔が不機嫌そう」

「世話人Dさんは忘れ物が多い。
ホームに私物を忘れることが数回あった」

「世話人Eさんは調理が遅い。
いつも提供時間ギリギリになっている」

利用者さんの話をきくと、
世話人の仕事ぶりについて、
いろいろな見方が出てきます。

スタッフ(世話人)は
お金をもらって働いている以上、
プロとして仕事をしないといけない。

“○○がルール”と
把握している利用者さんからすれば、
“できていない”一面をよく見つけて、覚えています。

それって1年前の出来事だよな…ということも。

世話人のミスを忘れないんですよね。

だから世話人は気を抜けない。

あの人は仕事ができないというレッテルを
貼られてしまいますから。

世話人には当然プロとしての仕事を求めます。

一方で利用者さんには、
「誰でもミスをすることがある」と
寛容さを持ってほしいと伝えています。

ミスをしない人はいません。

たった1回のミスをずっと覚えて、
世話人にそれを嫌味のように言うことは、
相手は気持ちが良くない。

「あなたもミスをすることはあるよね?」

と理解をしてもらわないといけない。

そういうことに気づけないと、
職場でも同じように、
「〇〇さんがミスをした」と言ってしまいます。

そして職場の中で人間関係トラブルに
発展することもあります。

誰しも“自分に甘く、他人に厳しく”なりがちです。

ミスは望ましくないことですが、
“お互い様の精神”を持っていただけたらと思います。

『伊那食品工業から学ぶ年輪経営 NO.3』

こんにちは。
グループホームHARAUの松本です。

伊那食品工業の塚越英弘社長と対談させていただきました。

伊那食品工業様には『利益ウンチ論』
という考え方があります。

この話を始めて聞いたときは衝撃でした。

塚越社長はこんなふうにおっしゃっています。

「販促費や人件費など
必要な経費を差し引いて最終的に残った数字が利益。

つまり利益とはウンチである。

 皆さんはウンチをこれくらいだそうとか
 予め目標を立てることをしますか?

 でも多くの企業は利益=ウンチをどれくらい出すと
 目標を立てている。

 健康な体にさえなれば、
 自然と出てくるものがウンチのはず。
 
 ウンチの量を目標にする。おかしくないですか?

 健康なウンチが出てくる体質を作ることを
 目標するべきです

事実、伊那食品工業には
会社からトップダウンで降りてくる数値目標はない。

営業会議でも数値の話はない。

他社で見られる、営業会議内での
目標未達者への吊し上げもない。

何年後に売上をいくらにするといった経営計画もない。

それでも増収増益を続けているのだ。

このような事実を目の当たりにすると
私たちが常識だと信じてきた経営手法は、
資本主義の渦中で毒された考えなのかもしれない。

私はどうか?

ウンチを目標にしてしまうことがしばしば。

まだ道半ばの未熟者です。