運営・経営

『金銭管理は性弱説で』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『金銭管理は性弱説で』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

私が新卒時代、お世話になった京セラ。

創始者の稲盛和夫氏は次のような言葉を残しています。

「人の心とは移ろいやすいものだが、
 ひとたび固い絆で結ばれると、これほど強いものではない」

人の心には2面性(正と負)がありますね。

よくマンガの世界で、
天使と悪魔が出てきて、主人公に囁くシーンがあります。
あのようなことが心のなかで起きています。

目の前に誘惑があると良心と葛藤します。

グループホームでいえば、
利用者のお金を預かることや
ホームのお金を一部のスタッフが管理することになります。

当然ながら不正が行われないために、
別の人間の目で、ダブルチェック、トリプルチェックをかける。

当人からすれば気持ちのよいものではありません。
信頼されていない?と受け取るかもしれません。

私は京セラ時代に上司から

「人の心は弱い。
 だから不正を起こさせないための仕組みが必要だ。
 仕組みが結果、スタッフを守ることになる」

と言われたことがあります。

コンサルタントとして、いろんな会社を見ていると、
嘘ではなく本当にお金を使ってしまって
解雇になってるスタッフが多い。

特に現金商売だと何十枚、
何百枚の1万円札を数える。

最初は100円くらいなら…という
気持ちだったのかもしれません。

どんどんエスカレートしていき、
感覚が麻痺していく。

友人と一緒にした起業して、
信頼していた友人に現金を持ち逃げされたという話も
よく聞きますね。

愛社精神を持っている人。
部下から信頼を集めている人。
顧客から支持を集めている人。

こんな理想的な人でも現金を目の前にすると
悪魔の囁きに勝てない。

人間の心は生まれながらにして弱いという「性弱説」。

お金に関しては「性弱説」で仕組みやルールを
整備したほうがいいでしょう。

 

お金に関して言えば、
信頼しているからルールや仕組みがいらないのではなく、
信頼している仲間を失わない、守るために
ルールや仕組みが必要だと思います。

『法人格の違い』

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『法人格の違い』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

グループホームを見学に来られたご両親から、
法人格についての違いを聞かれることがあります。

概ね3つに集約されるかと思います。

・社会福祉法人
・NPO法人
・株式会社

社会福祉法人は一般的に福祉のイメージに馴染むようで、
「なんとなく安心」と感じるようです。

たしかに税制上の恩恵はあるようです。
社福になりたいと思ってなれるものでもない。

事件・事故のニュースが流れた時に、
「社会福祉法人○○」と出てきますね。

「社福だから安心」というのは早計。
運営の質を現地で確認されたほうがよいかと思います。

NPO法人と株式会社の違いはほとんどありません。

株式会社が事業部を分けて、
NPO法人を作ろうと思えば作れてしまいます。

なんとなく「NPO」と入っていると
利益を追求しない慈善団体というイメージなのでしょう。

NPOとはいえ一定の利益が残らないと
事業を継続することは困難です。

一部の経営者は、

「福祉=慈善事業だから、
 待遇は良くなくても仕方がない」

と考えている方もいます。

スタッフに我慢を強いるのもいかがなものか…。

私も株式会社のままでいくか、
NPO法人として申請するか迷いました。

まだ株式会社で運営している数が少ないこと。

もう一つはこれからの時代、
福祉も事業として成り立たせないと倒産する。

そのような理由から、NPO法人を作らず
株式会社で運営することにしました。

上記で書いているとおり、
法人格によってあまり違いはありません。

現地を見学し、判断されてください。

『義務感や常識で動かそうとしない』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『義務感や常識で動かそうとしない』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

知的障害者向けのグループホームを運営する管理者と
意見交換を行ったときの話です。

1年間休まずに就労先へ通うことができれば理想。
ただし現実はなかなかそうともいかない。

一度リズムが崩れてなかなか職場に足が向かないと
いうことも起きます。

おそらくホーム側としてはあれこれ、
いろいろな知恵を絞って気持ちよく職場に
送り出せるように工夫しています。

ただ「体調が悪い」と言われてしまえば、
なかなか強く勧めることもできません。

病院に行っても、

「心配する必要はないですね。
 しばらく休んで様子を見てください」

と言われて一般的な処方箋を出される。

医者に「しばらく休んで」と言われれば、
そのとおりにせざるを得ない。

勝手な判断をしない運営者が多いかと思います。

これが習慣になってしまい、
2日出勤して1週間休む、
また2日出勤して1週間休む、
といったことが起きることもある。

すると運営者側も心の中では焦りが出てきます。

利用者の立場に立った支援が必要だ
と分かっていながらも、
このまま負のループから
抜け出せなくなったらどうしよう…と。

そうすると無意識にうちに
「コントロール願望」が働いてしまうんですね。

以前あるクリニックの先生に
言われたことがあります。

「通常、皆さんが出勤する動機になっている
 “義務感”や“常識”。
 利用者はこれで動くとは限らない。
 理性よりも本能が優る。
 理性でいくら訴えても、なかなか伝わらないでしょう」

焦りが出てくると、

「〇〇するのが世間の常識」
「〇〇しないと生活ができない」
「〇〇するのが当たり前なのに、なぜやらないのか」

と利用者を見てしまう。

一度物差しができると物差し通りにいかない時に、
人は怒りの感情が芽生えてしまう。

「義務感」や「常識」で動かそうとしていたら、
「コントロール願望」が強くなっていると自覚しないといけませんね。

『コロナがもたらした混乱』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『コロナがもたらした混乱』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

コロナ危機によって私達グループホームも
少なからず影響を受けます。

利用者さんが通う就労先(B型)も同様です。

先日、他のグループホームで
こんなことがあったそうです。

2020年4月から約2~3ヶ月間、
緊急事態宣言によりB型就労先などは、
出勤停止になりました。

そこで利用者はグループホームで
1日中、待機になりました。

日中に就労に行く前提でシフトを組んでいる
グループホームは、増員をせざるを得ません。

つまり人件費が上がってしまいました。

就労先としては、本来は通所してもらわないと
報酬として計上されません。

今回のコロナ期間は、利用者さんに連絡を入れて、
体調確認をしたり、課題の進捗を確かめたりして、
それが支援をみなされ、報酬として計上されたそうです。

過去に類がないためか、

「日中の報酬を就労側が申請するか、
 グループホームが申請するか、話し合いの上、
 決めてください」

といった通達しかありませんでした。

「話し合いの上…」と内容がかえって
こじらせてしまったようです。

グループホーム側からすれば、
不満を持っている方が多数いらっしゃいました。

「就労先から電話が1日2本程度、利用者にかかってくる。
 時間にして5分~10分程度。

 グループホームは日中の8時間を支援している。
 それで報酬が就労側につくのは納得できない。
 人件費も上がっているのに…」

実態でみればグループホームが支援をしている。
でも報酬は就労先に入ってしまう。

「支援内容からすれば、
グループホームさんが報酬を取るのが普通ですよね」

といってくださる就労先もある。

でも就労先もコロナで経営が厳しい。

「報酬がほしい」と思うのは当然です。

そんなわけでグループホームと就労先で、
この自粛期間は電話で何度も話し合いを持たれた所もあります。

ガイドラインを国が出してくれれば、
もう少し話がこじれずに纏まったかもしれません。

HARUはというと…。

とくに日中の報酬は申請せずに、
就労先に100%計上していただきました。

『グループホーム新規参入 被害相談 ④』

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『グループホーム新規参入 被害相談 4』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

被害者相談があったので、
また共有します。

コンサルティング会社が
新規グループホーム開設を推奨するために

「副業でもできます」

という謳い文句があるそうです。

従業員を雇って任せれば良し。
オーナー業だけすればいいということらしいです。

これは明らかに過剰表現広告かと思います。

少なくとも事業が起動に乗るまでは、
「副業」というスタンスでは成り立ちません。

本業と副業を一時的に
逆転させてやるくらいの覚悟がなければ、
事業として成り立ちません。

(普通に考えて、
新規事業に労力をかけないと上手くいくはずがない)

従業員の立場で考えてみましょう。

社長の中では「副業」と位置づけている福祉事業を
はたして真剣にやってくれるでしょうか?

グループホームという箱を作るだけならば、
お金があって、少しの人が集まれば、
できてしまうかもしれません。

でも“支持される”グループホームを作るには、
経営者の信念が試されている。

グループホームを運営し続けるには、
経営者の“本気”が試されています。

今のグループホーム情勢は、
数年前の放課後等デイ・サービスに似ています。

質を問われて倒産していくグループホームが
増えていくでしょう。

質の源泉はどこから来ているかと言えば、
経営者の“思い入れ”で決まっています。