障害者

『小石・大石論』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『小石・大石論』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

『小石・大石論』

聞いたことはないと思います。
私が勝手に名付けました。

これは簡単に言うと、

支援者から見ると「小石=大した事ではない」に見えることが
利用者から見ると「大石=重大なこと」に見えることがある。

その逆もしかり。

支援者から見ると「大石=重大なこと」に見えることが、
利用者から見ると「小石=大した事ではない」に見えること。

障害を持っている一部利用者と話をしていると、
上記のように、捉え方にギャップがあることがしばしばあります。

例えば不安から来るのか、
「もし○○の場合、どうすればいいですか?」
という質問。

もし○○の場合というケースが確率的に1/100分程度であったり、
5年に1回程度起こることだったり。

そこが引っかかって、選択・判断が止まってしまう。

何かしらの答えがあったほうが安心したりします。

または起きてみないと答えようがないこともあります。

「新しい利用者で○○な人が入居したら、どうすればいいですか?」
「新しい職員さんで○○な人が入ってきたら、どうすればいいですか?」

また新しい利用者さんも、職員さんも入ってきていないので、
答えようがありません。

現実に起きていないことで、もしもの仮定の話です。

下手に回答せず、その日が来たら丁寧に説明すると約束し、
回答時期を延期することもあります。

グループホームではリビングで座る場所を決めるケースもありますが、
それは座る場所に拘りを持つ方がいるからでしょう。

これらは支援者から見れば小さなこと、
利用者から見れば大きなことです。

利用者から見て小さなこと。
でも支援者から見れば大きなこと。

例えば月曜日朝の欠勤の連絡。

「○○が痛いので会社を今週一杯、休みます」

一般就労している方は会社との雇用契約で成り立っています。
自分の自由・意見が100%尊重されるわけではありません。

会社から“自己中”という烙印を押されたら、
本人も働きにくくなります。

「○○が痛いんですね。
 今日病院にいって、ひとまず今日1日休ませてもらいましょう。
 明日以降もお休みするかは、体調をみて明日連絡をしましょう」

と欠勤の連絡の仕方を微修正したりします。

痛みの様子を見ると、おそらく軽傷。
その状態で、あらかじめ纏めた休みを申請するのは、
心証が良くありません。

会社と交わした契約書を紛失したり、
会社から支給された給与明細書を捨ててしまったり。

これらは後々困りますね。
決して小さなこと(=大したことない)ではありません。

小石なのか大石なのか。
時に認識が合わせる必要がありますね。

『嘘をつくことは自分を追い詰める』

こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

利用者さんの中には、
咄嗟に嘘をついてしまう人もいます。

なぜ嘘をついてしまうかといえば、

「自分をよく見せたい」
「褒められたい」
「怒られたくない」
「心配されたくない」
「嫌われたくない」

などなど、理由は様々です。

緻密に計算して嘘をつくというより、
無意識に言葉や態度に出てしまう。

例えば…、

・仮病を使って会社にいけるのに欠勤する
・お腹が痛いといって、仕事に遅刻や早退する
・雨や気温が低いと、体調が優れないと言って休む
・体調が悪いといって、職員の気を引こうとする
・甘いものを食べてはいけないことになっていても、内緒で食べてしまう
・無駄遣いをしてはいけないと言われていても、内緒で浪費してしまう
・部屋の掃除をしていなくても、掃除をしたと申告する
・お風呂で体をよく洗うように言われていても、
シャワーを浴びるだけで終わらせてしまう

あげたらキリがありませんが、
咄嗟に出てしまうようです。

愛らしい嘘もあれば、不のサイクルに入ってしまう嘘もあります。

支援者も嘘をついているのは分かっています。

嘘をつかれている支援者もショックでしょう。

子供の時に「嘘をついてはいけません」と
私たちは道徳として学んでいますから。

傷つくのは支援者だけではありません。
本人も自分で自分を傷つけています。

真面目な性格や良心を持っている人ほど、
嘘をつけばつくほど、罪悪感が蓄積されていく。

嘘をついてしまった支援者を前にすると
顔を正面から見れずに、居心地も悪い。

それが続いていけば、
「職場を辞めたい」「グループホームを出たい」と
発展してしまいます。

それは明確に嫌な理由があるというより、
居心地が悪い環境から逃げたいという心境でしょう。

嘘をつくことは巡り巡って、
自分を最も苦しめることになる。

「嘘をついてしまってごめんなさい」

と言ってもらえる支援者でありたいと思います。

『相手の“大切”を大切にする』

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『相手の“大切”を大切にする』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

 

相手が誰であれ、相手との信頼関係を築くには

「相手の“大切”を大切にすること」

と言われます。

これは原理原則かと思います。

自分が親を大事にしている。

だとすれば、親を否定されたら相手を不快に思う。
逆に親を肯定されたら、相手に好感を持つ。

“大切”とやや抽象的な言い方をしていますが、
趣味もその一部です。

趣味はひとそれぞれ違いますね。

利用者さんの中には、

ファッション、電車、アニメ、ディズニー、
自然、ドラマ、小説、絵画…、

好きなこと、夢中になれることは
人それぞれ異なります。

それを否定せずに、肯定することから、
人間関係構築の初級編がスタートします。

先生スタンスが強いスタッフは、

「その趣味はお金がかかるから
 やめた方がいい」

「その趣味はあなたのためにならない」

余計な一言を言ってしまい、
信頼関係を築けないでしょう。

まずは相手が大切にしているものを
否定せずに受け入れる。

それが出発点ですね。

『利用者を褒める行為は是か非か?』

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『利用者を褒める行為は是か非か?』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

褒め方を専門にする講師から
このように教わりました。

「従業員を褒めることは否定しませんが、
コントロールしたい願望は捨てないといけない。

評価的な表現、上から目線での表現は
避けるべきです」

具体的なセリフで言うと、

「〇〇ができて偉いね」

「〇〇さん、やればできるじゃない」

「〇〇ができて、さすがだね」

「〇〇ができて、すごいね」

といったものです。

「評価的表現、上から目線での表現はNG」

これは理解できます。

そのため福祉の業界に来た時に違和感がありました。

主に知的障害者を対象にしますが、
グループホームや短期入所、障害者の就労先において、
40歳、50歳の成人男性・女性に上記のような表現を
頻繁に使っていました。

「〇〇さん、偉いね」

「〇〇さん、すごいね」

年齢を重ねた成人利用者に、
20代、30代の年下職員が
「〇〇さん、偉いね」と言っている。

子供扱いしている?と
当時はおかしいなと思っていました。

しかし私もいつの間にか
最近では同じような言葉を使っていることに
気づきました。

「〇〇さん、偉いですね」

やる気になって次のステップを
目指そうとしてくれるならば、
言い方は過剰に意識しないという考え方があります。

たとえ褒める言葉であれ、
相手をリスペクトした言い方でなければ、
おかしいという考え方もあります。

ある利用者は、

「言い方は特に気にならない。
褒められる行為そのものが嬉しい」

と言っていました。

なのでこの問については、
答えは出ませんでした。

これは一例ですが、
もはや福祉の世界の中での常識が、
他業界から見れば非常識ということがある。

外の目で自分の言動を振り返りたいと思います。

『世話人さんはお手伝いさんではない』

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『世話人さんはお手伝いさんではない』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

利用者さんにはいろいろな方がいますが、
なかには「支援慣れ」の方がも現れます。

例えば、

「この部屋のゴミを捨てておいてもらえますか?」

「この衣類を洗っておいてもらえますか?」

「部屋を掃除しておいてもらえますか?」

「布団を干しておいてもらえますか?」

「これを郵便ポストに投函しておいてもらえますか?」

などなど。

その方の“できること”から想像すれば
やろうと思えば確実にできる。

でも面倒くさいのか、やる気が起きないのか、
ただやりたくないのか…。

スタッフさんにやってもらおうと
することがあります。。

しかし世話人さんは、
時間制の“お手伝いさん”ではないんですね。

(有料のお手伝いさんも〇〇のみするという
メニューが決まっていますが…)

自分ができることも
頼めば何でもやってくれるという
関係にはなっていけない。

利用者さんからすれば、
望むことをやってくれる世話人さんの方が
優しい印象を持ってしまうかもしれません。

ただ見方をかえれば、
できることを増やしているのではなく、
減らしているかもしれません。

以前は自身の力でやっていたのに、
やりたがらなくなったら、
なにか理由があるかもしれません。