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『盗難癖のある利用者』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『盗難癖のある利用者』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

グループホームを経営する
お知り合いの経営者Yさんが頭を悩ましていました。

利用者Aさんは以前のグループホームを
退去しなければならなくなり、今回Yさんの所へ。

退去理由は他の利用者のものを勝手に
盗んでしまって人間関係が壊れてしまったそうです。

本人も反省しているので…という説明を受けて、
Aさんを受け入れることになったそうです。

そしてAさんが来てから、
このホームでも物が盗まれるということが
何件か置きました。

とぼけたふりをしているそうですが、
Aさんの可能性が高いとのこと。

他の利用者の部屋からなくなったものが
Aさんの部屋から見つかっています。

問いただしても「自分で買った」と言います。

決定的証拠がないために、
これ以上問い詰めることはできません。

多額の費用をかけて
各部屋に鍵をかけられるようにするか…。

他の部屋に勝手に入っていないか、
廊下に防犯カメラを設置するか…。

Yさんなりにいろいろ対策を考えられていました。

そこまでしなくても…と思う人もいるかもしれません。

個人的な見解では、
盗難癖はなかなか治りにくい。

精神論で
「教育すれば人は変わる」という人もいますが、
悪癖になったものは治りにくいのが現実です。

設備で盗めないようにするか、
盗むと他者に分かってしまうようにするか。

他の利用者に被害が出ないように
現実論で対処しなければなりません。

『非現実的な希望とどう向き合うか…』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『非現実的な希望とどう向き合うか…』
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こんにちは。
大田区で障害者向けグループホームを運営する松本です。

先日、あるグループホームの管理者の方から
事例をお聞きしました。

計画相談員の桑田さん(仮名)が
利用者Bさんの担当でした。

桑田さんという方は、利用者からは評判がよいのですが、
他のグループホームを含めて管理者からは
あまり評判がよくありません。

桑田さんはポジティブ思考で、
利用者さんの希望を引き出すのが上手です。

利用者のBさんは、桑田さんとのモニタリングでポロッと

「いずれはグループホームを出て一人暮らしをしたい。
一人で旅行にも行ってみたい」

と言われたそうです。

すると桑田さんは、

「素晴らしいですね。偉いですね、明確な目標を持っていて。
 絶対に実現しましょう」

と反応されたようです。

その回答が嬉しかったからなのか、
利用者Bさんの気持ちは高ぶります。

毎日のようにスタッフへ

「いつから一人暮らしできますか?」
「いつ、一人で旅行できますか?」

と質問するようになりました。

さらには待ちきれないないのか、
一人で不動産屋さんや旅行会社へ行って、
話を進めてきてしまったそうです。
(店舗からホームへ連絡が入り、
契約の手前でキャンセルができたのですが)

桑田さんが利用者さんへ希望を見せたいと
いう気持ちは理解できます。

とはいえ、ホーム側としては、
現実を踏まえてほしいとのことです。

ご両親含めた関係者の方は、
先々、利用者Bさんが一人暮らしすることも、
一人旅行することも難しいと思っています。

両親は安全面からそれを望んでいません。

誰しも将来への希望がほしい。
でも希望を見せた後の責任は誰が取るのか?

実現可能性が限りなく低い希望を見せておいて、
「あとは本人次第」で片付けてしまっていいのか…。

希望を見せて挫折をすることも、
生きていく上で貴重な体験と割り切るべきか。

「非現実的希望は誰かを不幸にする」と
考えさせられました。

『被害者であるならば、加害者でもある』

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『被害者であるならば、加害者でもある』
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こんにちは。
大田区で障害者向けグループホームを運営する松本です。

利用者さんにはいろいろなタイプがいます。

「被害者」意識を常に持っている障害者さんは
いませんか?

「私は〇〇さんに虐められた」

「私は〇〇さんに馬鹿にされた」

「私はルールを守っているが、
〇〇さんはルールを守らない」

「私は静かにしているが、
〇〇さんはうるさい声を出す」

「私は挨拶をしているが、
〇〇さんは私に挨拶をしない」

あげたらキリがありません。

「自分が被害者である」という発言です。

動機がどこにあるのかは分かりません。

「関心を向けてほしい」
「自分が褒められたい」
という欲求かもしれません。

自分のことはさておき、
他人の言動ばかり気になるのかもしれません。

動機は何にせよ、自分が“被害者”だと思っている方は、
“加害者”にもなっていたりします。

上で例をあげたものを無自覚でも
相手にもやっているのです。

「(無自覚で自分も)相手を馬鹿にしている」

「(無自覚で自分も)相手を馬鹿にしてしまう」

「(無自覚で自分も)ルールを守らない」

「(無自覚で自分も)大きな音を出している」

「(無自覚で自分も)挨拶をしない」

自分が被害者になっていることは訴えてきますが、
加害者になっていることには気づかず…。

ある作業所では
「〇〇さんはどうして仕事をさぼっているのか?」と
毎回のように職場スタッフに訴えてくる利用者さんがいるそうです。

一度話し始めると15分も20分も話し続ける。

周りから見れば、この行為も仕事をさぼっていると映ります。

手を変え品を変え、根気強く
一つずつ気づいてもらうことが必要ですね。

『付随サービスには境界線を引く』

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『付随サービスには境界線を引く』
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こんにちは。
大田区で障害者向けグループホームを運営する松本です。

グループホームの通常サービスは、
生活支援全般です。

食事の提供、入浴や清掃の支援など
基本的な生活を営める範囲のものです。

ただここに付随して、
イレギュラー対応が増えていきます。

金銭管理や通院同行、
書類代行も入ってきます。

グループホームによっては、移動支援が使えず、
利用者の買い物同行や、散髪同行、定期検診同行なども
やっていて、疲弊してホームもあります。

ご両親が健在であれば、
お願いできるものが多々ありますが、
いらっしゃらない場合は、誰かがやらないといけない。

あるグループホームでは過剰サービスをして、
それが利用者には当たり前になってしまった。

今更、付随サービスを止めることもできないと
言われていました。

一般ビジネスの世界であれば、
何かオプションサービスをするならば全て有料です。

ですが福祉サービスはそこの境界線が曖昧です。

無料で+αのサービスをし、それが常態化すると
スタッフへの負荷がますますかかっていきます。

ですから「ここからはできません」と
はっきりラインを引かないと
内部が疲弊するでしょう。

一時的ではなく継続的に、
一定の質のサービスを提供できると
約束できないものは引き受けてはいけません。

約束を破ることが信頼を失うことに繋がるのですから。

『謝罪が口癖になるご両親』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『謝罪が口癖になるご両親』
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こんにちは。
大田区で障害者向けグループホームを運営する松本です。

利用者のご両親とは契約時にはもちろんお会いしますが、
その後もこまめに連絡を取り合ったりします。

いろいろなご両親がいらっしゃいますが、
真面目なご両親ほど、よく謝られるんです。

「娘の〇〇はスタッフの皆さんへ
ご迷惑をかけていませんか?」

「息子の〇〇はホームのルールを守っていますか?
ご迷惑をかけていませんか?」

「娘の〇〇はわがままや失礼なことを言っていませんか?」

「息子の〇〇は他の利用者へ失礼なことをしていませんか?」

などなど。

過去、様々な環境で大なり小なり問題があったのでしょう。
心配されることは続きます。

「ご迷惑をかけていませんか?」

謝罪の言葉が口癖になっているようでした。

ホームやご利用者本人からご連絡がいくと、
何かあったのでは?と心配されています。

そんなご両親に少しでも安心していただける環境を
作りたいと思います。