運営・経営

『無料でサービス利用できるという思い込み』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『無料でサービス利用できるという思い込み』
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こんにちは。
障害者向けグループホームを運営する松本です。

グループホームへ本入居する前に
体験入居という期間があります。

1周間から長い方で1ヶ月位。

試しにグループホームで生活をしてみて、
仕事に支障がないか、
他利用者と上手く関係を作れるか、
などを見ていきます。

日用品、光熱費、食費、家賃などを
日割り計算で請求することになります。

驚いたことに、ご両親へ上記費用を説明すると

「お金がかかるんですか?無料ではないんですか?」

と言われたことがあります。

それ以外にも

「〇〇費は無料にならないのか?」
「区から〇〇費くらいは補助が出ないのか?」

などと言われることもあります。

私のように他事業もやっていると、
「無料」というのはありえないですし、
「無料」だと怪しいとさえ思いますね。

ある関係者の方は

「福祉サービスの費用負担をこれまで
してきてもらったから、多くのものが無料で
利用できると勘違いをしているご両親もいるんですよ。
だから有料ですよと言うと、
何でですか?と聞かれることも」

と言われていました。

もちろん一部の方ではありますが、
お金を払うという感覚が乏しいのかもしれません。

たとえ自分のサイフから費用を
支払わないことがあっても、
誰かが費用負担しているという感覚を
持っていたいですね。

『付随サービスには境界線を引く』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『付随サービスには境界線を引く』
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こんにちは。
大田区で障害者向けグループホームを運営する松本です。

グループホームの通常サービスは、
生活支援全般です。

食事の提供、入浴や清掃の支援など
基本的な生活を営める範囲のものです。

ただここに付随して、
イレギュラー対応が増えていきます。

金銭管理や通院同行、
書類代行も入ってきます。

グループホームによっては、移動支援が使えず、
利用者の買い物同行や、散髪同行、定期検診同行なども
やっていて、疲弊してホームもあります。

ご両親が健在であれば、
お願いできるものが多々ありますが、
いらっしゃらない場合は、誰かがやらないといけない。

あるグループホームでは過剰サービスをして、
それが利用者には当たり前になってしまった。

今更、付随サービスを止めることもできないと
言われていました。

一般ビジネスの世界であれば、
何かオプションサービスをするならば全て有料です。

ですが福祉サービスはそこの境界線が曖昧です。

無料で+αのサービスをし、それが常態化すると
スタッフへの負荷がますますかかっていきます。

ですから「ここからはできません」と
はっきりラインを引かないと
内部が疲弊するでしょう。

一時的ではなく継続的に、
一定の質のサービスを提供できると
約束できないものは引き受けてはいけません。

約束を破ることが信頼を失うことに繋がるのですから。

『グループホーム内は社会の縮図』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『グループホーム内は社会の縮図』
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こんにちは。
大田区で障害者向けグループホームを運営する松本です。

先日、ある会社のグループホームの経営者から
聞いた話です。

利用者のAさんがグループホームを退去する
方向になり、受け入れ先を探しているとのことでした。

Aさんは物事をはっきりというタイプです。
このグループホームでは障害が最も軽度。
自分でできることも多い。

彼はスタッフがいない所で、
他の利用者からお金を借りていたり、
物を借りて返さなかったり、
侮辱的・差別的な発言していたそうです。

標的になった二人から訴えがあり、
事実確認をした所、認めたそうです。
(侮辱的・差別的な発言は自覚なしでしたが)

一度このように問題が起きてしまうと
修復はなかなか難しい。
そこでAさんは別の環境を探しているとのことでした。

あまり障害分野に関わりのない人は、
健常者の世界と障害の世界と二分して考えます。

しかし障害の世界も同じ人間社会なので、
上記なようなことは起こります。

より強い人や巧みな人が優位に立ってしまう。

他人をコントロールしたがる人もいます。

表面では優等生を演じて、
水面下では問題を起こしている人もいる。

人間が複数集まり、そこに小さな社会ができれば、
同じようなことが起こると考えていたほうがいいですね。

グループホーム内は社会の縮図です。

『行政依存では倒産する』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『行政依存では倒産する』
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こんにちは。
大田区で障害者向けグループホームを運営する松本です。

今年度は東京都でグループホームを運営する方は
よくご存知の通り、都加算の見直しが行われました。

これまでスタッフ人員が薄く、
障害支援区分が軽いグループホームは
特に打撃を受けています。

同業の方のお話を聞くと
終始ギリギリでやっている所も多く、
死活問題になっています。
小さな法人は特に。

第三者評価(40~50万)を3年に1回は受けなければならず、
どこから費用を算出すればいいのか、
頭を悩ましています。

高齢者介護の世界では、デイサービスの倒産件数が
増えて問題になっています。

障害の分野も同じ流れになるでしょう。

生き残りをかけた努力、
知恵を出せる事業者しか残れなくなるかもしれません。

先々、報酬が増えることは二度とないでしょう。

行政側に

「報酬を戻してほしい」
「支援策を整備してほしい」

と言った所で、何もしてくれません。

何も支援してくれない。
支援してくれたらラッキーくらいに
思っておいたほうがいい。

福祉事業者は行政に生かされています。
ですが行政に依存していると足元を救われます。

行政に依存せずにどうすれば経営が成り立つのか。

経営者の方は、リスクマネジメントをしないと
ますます厳しいでしょうね。

『福祉とビジネスは対局にある?』

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■間違いだらけの「障害」と「グループホーム」■
『福祉とビジネスは対局にある?』
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こんにちは。
大田区で障害者向けグループホームを運営する松本です。

先日、福祉関係の経営者数人と話をしていました。
話題はどのようにグループホームを
成り立たせていくかです。

国からの報酬で成り立っている事業。
これから先、報酬が増えることは考えにくい。

報酬が下がっていく前提で、
どのように赤字にならずに経営していくかを
相談し合いました。

他の経営者が言われていたのは、

「こういったお金の話が率直にできて有り難い。
 社内ではお金の話はしずらい」

というもの。

あくまでも福祉事業なのであって、
無償ボランティアではありません。

福祉従事者の待遇が問題になっているくらいですから、
利益を無視してはいけません。

ただ未だに
「利用者のことだけを考えて収益は無視」

という極端な人もいます。

だからスタッフ関係者の待遇が
変えられないんですよね。

気づいたら手遅れで、倒産して統廃合されていく。

現場スタッフはまだしも、せめて責任者は
利用者満足+事業としての成立を考えたいですね。